セブン&アイ・ホールディングス元会長・鈴木敏文さんがお亡くなりになりました。
今では完全に生活インフラ化している日本のコンビニですが、1970年代当時は、「大きい店ほど効率的」という時代。小型店を24時間営業するなんて、むしろ非効率だと考えられていたそうです。そんな中で米国式のコンビニエンスストアの仕組みを日本へ持ち込み、独自進化させたのが鈴木さんでした。
世界を見渡したとき、日本のコンビニというのは、やはり少し異常です。もちろん良い意味で。
おにぎりやサンドイッチが美味しい、という話だけではありません。ATMや宅配便、公共料金の支払いはもちろん、マルチコピー機はもはやミニオフィスと化している。さらに最近では、焼き立てのパンや淹れたてのコーヒーのほか、質の高い化粧品も衣類も普通に使える。もはや「ちょっと寄る店」というより、「生活の隙間を全部埋める場所」に近いのかもしれません。
外国人観光客が、観光名所のようにまずコンビニへ行きたがるのもよく分かります。最近だと、ファミリーマートが展開する「コンビニエンスウェア」ブランドのソックス、通称「ファミマソックス」(税込み429円)は、お土産とまとめ買いする人もいるほどの人気だそう。物は試しと、遅ればせながら私も買ってみたところ、これが実に良い。今ではジムやウォーキングに欠かせなくなっています。
たまごサンドなんかもそうですが、日本人にとっては当たり前のように享受してきたクオリティが、外国人特有の視点が加わることでさらに昇華されるというのは、今後もコンビニ起点で生まれてきそうな気がしています。
かくいう私もコンビニが大好き。
あえて1品だけお気に入りを挙げるとしたら、セブン-イレブンの「7プレミアム 鍋焼うどん」(税込527円)になるでしょうか。コンロ調理が必要なので外国人観光客には向きませんが、昔から海外出張帰りに食べたくなるのは白米でも味噌汁でもなくコレ。卵を落としてコトコト煮ると、ふわっとダシの香りが漂います。
そう考えると、日本のコンビニというのは、単なる「便利なお店」を、とっくに超えてしまったのかもしれません。24時間営業の小型店なんて非効率だ、と言われていた時代から半世紀。気づけば私たちは、「ちょっと助かる」を、ずいぶんあの場所に預けるようになりました。
便利さを売っているはずなのに、人によっては「帰ってきた感じ」まで置いてある。「鍋焼うどん」を食べながら、毎回そんなことを思います。皆さんのお気に入りはどの店の何ですか?