ブログ|モニクル総研

名古屋での恒例行事|篠田尚子ブログ|モニクル総研

作成者: 篠田 尚子|2026.07.14

先日、楽天証券のセミナーで1年ぶりに名古屋へお邪魔しました。

名古屋訪問は多くても年に1〜2回。そのたびに密かに楽しみにしているのが、あつた蓬莱軒のひつまぶしです。栄にある松坂屋本店地下の店舗で、お土産用を買って帰るのがすっかり定番になっています。

実は昨年、一昨年も6月末に名古屋セミナーがあったのですが、あまりの暑さで体調を崩し、そのまま新幹線へ飛び乗るのが精一杯。今年はようやく、少し余裕を持って立ち寄ることができました。

気づけば、お土産も毎年ほとんど同じ顔ぶれです。

あつた蓬莱軒のひつまぶし、春華堂のうなぎパイ(ミニ)、そして赤福餅

「名古屋土産」と言いながら、静岡と三重まで含まれているわけですが、そのあたりはあまり気にしないことにしています。私にとって出張帰りのお土産は、「今年も無事に仕事を終えた」という小さな記念品のようなものです。

日本は本当に面白い国で、どこへ行っても、その土地ならではの料理があり、お菓子があります。そういえば最近は、名古屋コーチンの卵を使ったひよこ型のプリン「ぴよりん」も、すっかり新名物として定着しました。

新しい名物は生まれ続けていますが、長く愛されるものには、それぞれ理由があるのでしょう。そんなことを思いながら、帰りの新幹線で何気なくあつた蓬莱軒のホームページを眺めていると、ひつまぶしの由来が意表をつくものでした。

明治初期、大きなどんぶりに盛ったうな丼を出前で運ぶと、器が割れてしまうことが度々あったそうです。そこで考え出されたのが、割れにくい木の器(お櫃)にご飯と鰻を入れて運ぶ方法でした。また、鰻だけが先に食べられてしまい、ご飯が残りがちだったことから、鰻を細かく刻んでお櫃全体に「まぶす」工夫も生まれ、それが現在の「ひつまぶし」へと発展していったのだとか。(ちなみに、「ひつまぶし」は、あつた蓬莱軒の登録商標です。ただ、現在では一般名称として広く定着しているため、他のお店でも料理名として使われています。)

今では名古屋を代表する料理ですが、もともとは目の前の困りごとを解決するための工夫だったと聞くと、ひつまぶしの見え方が少し変わりました。

名物というのは、案外そんなものなのかもしれません。派手なアイデアより、誰かの日常を少し便利にする知恵の積み重ね。その土地で長く愛されるものには、似た背景があるような気がします。

来年もきっと、買うものは変わりません。

恒例というのは不思議なものです。同じことを繰り返しているようでいて、その年ならではの記憶が、少しずつ重なっていくのだと思います。