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ETFの話をするとき、いつも少しだけ迷う理由

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ここ数年、投資信託に加え、ETFについてお話しする機会が格段に増えました。

ミライドでも、ETF関連の動画を多くの方に視聴いただいていて、「ようやくETFにもスポットライトが当たる日が来たか!?」と、個人的にはとても嬉しく思っています。

ETFも投資信託の一種なので、「『ファンドアナリスト』ならカバーしていて当然では?」と思われがちですが、投資信託とETFは、金融商品としての構造が実は結構違います。現に投資信託評価の本場アメリカでは、「ファンドアナリスト」は一般的な投資信託のアナリストを指し、ETF専門のアナリストは「ETFアナリスト」と区別されることが多くなっています。

日本ではETFについての情報は、投資信託に比べてまだまだ多いとは言えません。理由はいくつかあります。

まずひとつは、投資信託のような販売会社側の継続的な報酬(いわゆる代行報酬)がないこともあり、どうしても情報発信のインセンティブが働きにくい点です。

さらに、ETFは上場商品であるため、取り扱いは証券会社に限定されます。その性質上、個別株と同じプラットフォームで管理されることが多く、投資信託とは異なる文脈で扱われる場面も少なくありません。結果として、投資信託と横並びで整理しようとすると、少し工夫が必要になることもあります。こうした事情もあって、ETFは投資信託に比べると、少し見えにくい位置にあるのかもしれません。

もうひとつは、日本の制度との関係です。特にNISAでは、投資信託の積立という形が仕組みとして組み込まれたことで、投資の入り口として投資信託が選ばれやすい環境が整いました。

以上の背景もあって、ETFは「知っている人はよく知っているけれど、そうでない人にはなかなか情報が届きにくい」存在になりがちです。私自身は、長くネット証券に在籍していた中でETFに触れる機会に多く恵まれましたが、「ファンドアナリストだからETFも知っていて当然」とは、必ずしも言えないのです。

ここ数年で大きく変わったのは、投資信託を取り巻く環境です。先述したNISAの普及もあって、小口化やポイント投資の仕組みが広がり、取引画面のUI/UX改善も含め、投資初心者に寄りそう土台が整いました。信託報酬の引き下げも進み、コスト面でのETFとの差も、以前ほど大きくはなくなっています。

その陰で、というわけでもないのですが、ETFもまた静かに、そして着実に進化しています。商品のバリエーションはこの数年で大きく広がり、使い方次第では、投資信託とは違った形でポートフォリオの幅を広げてくれる存在です。

こうして見ていくと、ETFは決して「難しい商品」というよりも、「少しだけ扱い方にコツがいる商品」と言えそうです。投資信託でもなく、個別株でもない。その間にあるような、不思議な立ち位置の金融商品です。

だからでしょうか。ETFの話になると、いつも少しだけ迷います。うまく使えば便利なのに、説明しようとすると、少しだけ言葉が増えてしまうのです。

迷いながらではありますが、これからも少しずつ言葉にしていきたいと思います。

 

 

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