
買ってしまいました。そう、「SUMMER SONIC 2026」のチケットを。
「SUMMER SONIC(通称サマソニ)」は、毎年8月中旬に東京と大阪で開催される音楽フェスです。2026年は、東京はZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ、大阪は万博記念公園で開催されます。
新潟県湯沢町・苗場の自然の中で行われる「FUJI ROCK FESTIVAL(通称フジロック)」とは対照的に、都市の会場で開催される、少し「日常に近い」フェスでもあります。その分ジャンルも幅広く、海外のみならず、日本の大物アーティストも比較的多く出演します。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(通称ロッキン)」と並び、「日本3大夏フェス」のひとつとして知られています。
実は音楽フェスが大好きな私ですが、サマソニは2019年以来、実に7年ぶりです。
楽しみ、というよりも先に、「いよいよこの金額か」と思ってしまったあたりに、自分の年齢と時代を感じざるをえません。そしてもうひとつ、「あの暑さ、大丈夫だろうか」とも。7年という年月は、体力の前提を変えるには十分です。
音楽と野外フェスの雰囲気も大好きだから行くのであって、チケット代のことをとやかく言うのは野暮というものです。とはいえ、長年フェスに通ってきた身としては、ここは一度、冷静に考えてみたいところでもあります。そこで、ざっと整理してみました。
| フェス |
1デイ |
3デイズ (or複数日相当) |
来場者数 (概算) |
特徴 |
サマソニ (SUMMER SONIC) |
約2万1,000円 |
約5万9,000円 |
約25万〜30万人 |
都市型・国内&海外アーティスト |
フジロック (FUJI ROCK FESTIVAL) |
約2万5,000〜2万6,000円 |
約5万7,000〜5万9,000円 |
約10万〜15万人 |
自然型・滞在型・海外アーティスト多い |
ロッキン (ROCK IN JAPAN FESTIVAL) |
約1万5,000〜1万6,000円 |
約3万9,000〜5万3,000円 |
約30万〜35万人 |
国内アーティスト中心・最大級 |
※各公式ウェブサイト等の情報を基に筆者作成
国内アーティストが中心のロッキンは、サマソニやフジロックと比べると、チケット代がやや抑えられていることが分かります。円安の影響をひしひしと感じます。
かつてフェスのチケット代といえば、一般的なライブより少し高い、9,000円から1万円程度という感覚でした。それが今では、1日2万円台という水準が特別なものではなくなってきています。とはいえ、単純に「高くなった」と言い切ってしまうのも少し違う。学生向けの特別価格が用意されていたり、特典付きの「VIPチケット」のような枠があったりと、同じフェスでも価格の幅はずいぶん広がっているからです。
どういう人に、どの形で来てもらうのか。そんなことを考えながら設計されているのだろうな、と想像すると、収益の組み立ても、以前よりずっと複雑になっていると思います。
そしてもうひとつ、近年の野外音楽フェスを語るうえで外せないのが、酷暑への対応です。先ほど触れたロッキンは、気温上昇による熱中症リスクを理由に、2025年から開催時期を8月から9月へと変更しました。音楽フェスに限った話ではありませんが、近年は会場の冷却設備や給水体制の強化など、来場者の目に見えない部分でのコストも確実に増えていることでしょう。
90年代後半に始まった日本の大型野外フェスも、気づけば四半世紀以上。さまざまな環境の変化に対応しながら、ここまで続いてきました。そう考えると、フェスのチケット代というのは、単に高額化したというよりも、世相を織り込んだ結果なのかもしれません。そして、自分を含む「行ってしまう人たち」が、毎年のべ何十万人もいるのだと思うと、もはや音楽フェスは一大カルチャーなのだと実感させられます。
あの金額と、あの暑さを分かったうえで、それでも行ってしまう。それを「覚悟」と呼ぶのかは分かりませんが、少なくとも、似たようなものはある気がしています。同志の皆さん、頑張りましょう。何より、夏を思いっきり楽しみましょう。